先日、久し振りに云われました。「もっと目を大きく開けて下さい。」と。
 初めて行った眼鏡屋で新しい眼鏡を作ったら、視力を測る時にそう云われました。

 以前は頻繁に云われたのです。
 八歳迄は週に一回、八歳を過ぎてから十八歳迄は二ヶ月に一回程度、眼科に通って毎回毎回、屈折検査・視力検査・視野検査・眼位眼球運動検査などを受けていましたから。
 検査の度に、僕は「もっと目を大きく開けて」と云われてしまうのです。中々持ち上がらない僕の瞼を精一杯動かして見開いて居たというのに。

 この僕の線の様な細い目で見る世界はいつも少し暈けて歪んでました。
 僕が見る波打つ世界は真の世界では無いのだと判ってからも、歪んだ世界が僕にとって全てでした。もっと目を大きく開けようとしても線は線でしか無かったし、世界も歪んだ侭。
 久し振りに云われた言葉に素直に従おうとして、自分の目はそれ以上開かない事を思い出しましたよ。

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