憂国詩人

2003年7月31日 ダレカヘ
 古き昔、国を憂いて水面に身を投じた詩人が居た。
 清廉潔白故に孤独であった彼は其の煩悶を複雑且つ優美な文体で歌い、後世の文人の思想に大きく影響を齎した。
 彼の名を忠君憂国の士として知らぬ者は世の詩人には居なかった。

 だが、其の彼の人物像が殆ど架空であり、作られたものであるとしたら如何なるのか。
 忠臣でありながらも讒言により虐げられた彼の悲劇を、周囲から拒否された苦悩を、後世に伝える役を担った者が実は己自身の経験を彼に投影して世に伝えていたのだとしたら如何なるのか。

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